コラム「透視図」

SF小説では早くに書かれているというので

2012年2月23日

 ▼SF小説では早くに書かれているというので、調べてみた。くしくも同じ年なのだが、1979年にあの「2001年宇宙の旅」のアーサー・チャールズ・クラークが「楽園の泉」という作品で、そしてチャールズ・シェフィールドが「星ぼしに架ける橋」という作品で取り上げているそうだ。いずれもそれを建設することを主題にしてという。惑星などと宇宙空間を結ぶ宇宙エレベーターのことである。
 ▼大林組がその宇宙エレベーターを建設する構想を発表した。SFの中の存在だったものを現実のものにするという。宇宙エレベーターは、そもそもはロシアの宇宙開発の父スツィオルコフスキーに始まる。1895年にパリのエッフェル塔を見て発想したという。スツィオルコフスキーからは1世紀余、今度は東京スカイツリー施工の大林組が彼の発想を現実のものにするという。1991年に軽いながら鋼鉄の20倍以上の強度を持つカーボンナノチューブが発見された。それを用いれば、十分建設可能らしい。
 ▼にしても、大変な構想である。エレベーターケーブルの長さは月までの4分の1の9万6000kmで、地表から3万6000km上にターミナル駅を整備。エレベーターは時速200kmで、15日で駅と地上を往復。建設費最大1兆円…。夢のようだが、夢を形にするのが建設界であり、大林組や良しである。実現は2050年。アーサー・クラーク風に言えば「2050年宇宙の旅」はエレベーターで―とするわけだが、元気で待てそうにないそのことだけ残念だ。

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